良く出来ている!
泣けた!、と好評の映画、ゴジラ-1.0を先程観てきましたので感想など書きます。
これから観る方には、あまり大きな期待をしないで観た方が楽しめると思います、というアドバイスをしてあげたい、というのが優しめの結論です。
(ネタバレ注意)
ひとつは、主演男優の演技がヘタ。
グズな男が神風特攻隊で出撃したものの、恐くなってゼロ戦が故障したと偽り帰ってきたことを何時までも悔いて、最後にはそれを克服してハッピーって感じで終わるのだが、素人か?と思える程度の演技なので感情移入が出来ない。期待して観ただけに最初の10分で裏切られガッカリ。
ふたつめは、ゴジラが東京に上陸して破壊しまくる中で、左から来たゴジラが吐いた放射線の爆風で恋人が右方向へビューンと物凄い勢いで100~200メートル吹き飛ばされるのだが、飛ばされる直前に主演男優をビルの隙間に押し込んでくれたので男優は助かった。
少し気を失った後、気を取り戻した男優は恋人が飛んで行った方向を暫くの間見る。
ここが変!。文字で読むと変に感じないと思うが、映画を観るとメチャ変だと分かる。
左側から超巨大なゴジラがビルを蹴散らし人を踏み潰しながらゴーと目前まで迫って来ているのだから、命が死ぬほど危険な状況なのだ。
そのゴジラから必死で逃げている最中なのだから、目が覚めたら本能的に先ずゴジラがいる左側を観るはずで、一瞬そちらを見た後で恋人が飛んで行った方向を見るのが自然だと映画を観ていて思った。
みっつめは、怪獣映画でなぜか良くある演出が阿保らしくて白けた。
ゴジラが左から迫ってきているので多くの群衆が右方向に走っている中、恋人だけはなぜかじっと立ってゴジラを見ているのだ。こんなシーンは良く有る。ガメラにも有ったし多くのアメリカ映画にも有った。
良く有る演出なのだが、これほどウソっぽい演出も無いと思うのだ。
見ていてあほらしくなった。
ゴジラが近くまで迫って来て皆が必死に走って逃げているのに、逃げもせずじっと立ってゴジラちゃん💛って感じて見続けている人間がいるか!?
よっつめは、映画の最後の方で、飛んで行った恋人が実は生きていることが分かったので4歳くらいの子供を抱っこして入院している病室に入り恋人と対面したとき。
100メートルも吹っ飛んだ母親が片腕と顔の半分に包帯を巻いただけでベッドに座っている姿には全く驚いた。スーパーマンかい!?
映画の帰り道で、あそこは奇跡的に運よく皇居のお堀まで飛んでそこにボチャンと着水したので助かったという解釈にすれば違和感は無くなるかもと思ったが、すんごいスピードですっ飛んで行ったのだから下が水だったとしても死ぬだろう、とまた思い直した。
病室に入った直後、男優は○○子!と恋人の名前を呼び、恋人もそれに応えたのだが、子供はというと男優の顔をボーっと見ているのだ。
母親を見ない。
なぜ?
母親が死んだことを知った時には大声で泣いていたのに。
なぜ母親を見もしないのか!?
こんなのって、あるか~!、と思った。(めちゃくちゃだ)
普通は、「おかあさーん!」と叫んで男優の腕の中から床に降りて母親が寝ているベッドの方へ走って行くのに父親の方を見てボ~としているって、そんなの有り得ないじゃん!
この場面は映画終盤のお涙頂戴の最大山場のはずだろうがどっちらけだった。
私には監督がなぜ直さなかったのか、まったく理解できない。
なぜ、「○○ちゃん、お父さんの腕から降りてお母さんの所へ走って行きなさい!」と言わないのだ!
なぜ演技指導をしないのだ!
あんた、監督だろ!
お母さんもお母さんである。ひとっ言もしゃべらないのだ。
「あなた!」とか「○○ちゃん!」とか言わないのだ。
なぜ~?
ここも変過ぎて頭がおかしくなりそう。
奇跡の再開をしたのだから絶対に3人で抱き合って喜ぶはずなのに、ベッドと入口のドアの所でお互いを見ているだけ。表情は3人とも無表情。
もう、ほんとにやめてよ、と言いたい!
ここで泣いた人の気が知れない。
私は阿保らしくてほんとにイヤになった。
この場面だけで3流映画決定である。
以上!
ps
この映画の出来は、仕上げをしていないリコーダーアンサンブルの演奏と同じだなと先ほど思いました。
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