日銀の黒田総裁は国民生活を無視していないか

黒田さんが日銀総裁に就任した頃、彼は目標を「消費者物価を2%上昇させること」と説明していた。

それを実現しようとメチャクチャな金融緩和をし、このところの世界的な物価上昇もあって、現在では日本でも物価が3%ほども上がるようになった。

 

普通なら目標を完全に達成したのだから金融緩和縮小の方向に移行するはずだが、あろうことか黒田氏は「物価は2%以上上昇しているが、賃金が上がっていないので金融緩和は断固継続する!」と言い始めた。

 

それって何?、と私は思うのだ。

当初の目標に入っていなかった賃金上昇率を持ち出して更に物価を上げようとする心が理解できない。

そもそも、物価を2%上昇させることが良いことだという判断は正しいのか?

 

現代では技術の進歩で、より優れた物がより安く作れるようになっていくのが普通だと思っている。

また、需要が旺盛になり需給がひっ迫して値段が上がっても、そのうち必ずその市場を狙って参入してくる企業が出て来るので、そのうち物の値段は下がっていくのだ。

 

つまり、物価が上がらなかったり、または下がっていく状態こそ正常なのであり、黒田氏が日銀総裁になる前までは、日本の経済は全く正常であったと思うのだ。

 

なのに継続的に物価が上がることが正しいとして無理に上げようとしている。

その根拠や理屈が全く分からない。(私がアホなだけかも知れないけれどと書くと、おそらく黒田氏は「そのとおり」と言うだろうけど、分かり易く説明して欲しいものだ。)

 

賃金が上がらない中で更に物価を上げ続ければ、一般国民(高級官僚や政治家以外の人たち)の生活は苦しくなって行くことなど分かり切っているはずだと思うのだが、平民とは違う世界で暮らしてらっしゃる高級官僚様にはそれが分からないらしい。

 

しかも、消費者物価指数の中でも、生鮮食品とエネルギー価格を除いた指数を重要視しているが、一般国民からすれば、それらの価格上昇こそが生活の苦しさに直結するものなのだから、本来ならばそれらをこそ重視して政策運営をすべきだと思うのだ。

 

私は自分を貧乏だとは思っていないが、今後物価が年2%上がり続け、且つ現在のように金利をほぼゼロに固定する政策を続ければ、10年後には自分の預金がザックリで20%減ったと同じことになってしまうこと、および年金が毎年減額され続けることが決まってしまったことなどを考えると、「黒田君、何してもいいよいいよ~^^」とは言えないのだ。

 

ちなみに、20年後には預金の価値は約50%減となっている。

年金がどれだけ減額されているかは不明。

年金生活者はとんでもなくバカを見るのだ。

 

そもそも、邪推かも知れないが私は総務省が発表している消費者物価指数を信用していない。

かなり昔に、どんな場合でも消費者物価が上がっていないような結果が出る統計手法を取り入れたのではないかと思うのだ。

 

昔、どのように消費者物価指数を出しているのか調べたことがあるが、身近なところで、例えば餃子1パックの価格動向調査で前年は10個入りが200円だったとする。

それが今年の調査でも企業が200円と回答したので総務省は値上がりしていないと統計データーに入れた。この場合、消費者物価の上昇はゼロである。

 

しかし、もし1個あたりの量が減らされていたら?、実質的には値上げになっているのである。

この場合、本当は物価が上がったのに消費者物価指数は上がらないことになってしまう。

 

このような統計手法上の不備(いいかげんさ)が無いことを祈りたいし、日銀は一般国民の生活をもう少し考えるべきでは、と思う。