昨日、身内の某女子に詐欺の電話が掛かって来ました。
オレオレ詐欺などの話は、テレビで聞いても、まさか身内が巻き込まれることは無いだろうと何となく思っていました。他人から掛かって来た電話を息子からだと思うはずが無いのでは、と。
でも犯人側は単純だけれど信じさせる巧妙な仕掛けを使っていることが今回の体験で分かりました。
やり取りの流れを書きますので、もし類似の電話が有ったときに、詐欺だと気付き易くするためのご参考にして頂ければと思います。
１．大丸の総務部中野と名乗る男から電話が有り、「OMCカードで20万円の時計を購入しようとされている女性の様子が少し変だと感じるので確認して欲しい、と売り場担当者から連絡がありました。お忙しい所を恐縮ですが、お知り合いの方かどうかをご確認したくお電話させて頂きました」と言うらしいのです。
２．その男の話し方は非常にキビキビしており、仕事の出来る優秀なサラリーマン！という印象を受けたので、その話を聞いた時には何の疑いも持たなかったそうです。
３．しかし、身内はOMCカードを持っていませんので、その旨を伝えると、男は「あなたの名前で偽造したカードを使っているのかも知れません。そのカードにあなたの銀行口座が紐付けされていると大変ですので、すぐに全国銀行協会へ電話して止めて下さい」と言ったそうです。
４．突然犯罪に巻き込まれた状況になったので、身内はそれは大変なことだと思ってパニックのようになってしまい、鼓動が聞こえるくらい心臓がドキドキしたそうです。
５．そこで、教えてくれた全国銀行協会の番号（0506-876-3863）にすぐに電話を掛けました。
普通、この電話番号を人に伝える場合は、050-6876-3863と言いますが、男は上記のように区切って言ったそうです。なぜそのように言ったのかというと、後で気が付いたそうですが、全国銀行協会の電話番号が携帯の番号では怪しまれるので、固定電話だと思わせるために、わざと4桁3桁4桁で区切って言ったに違いない、とのことでした。犯人は良く考えてやってます。
６．掛けた電話に出たのは、最初の男とはかなり印象の違う、もっさりした冴えない感じの男だったそうで、「まず生年月日から教えてください」と言ったそうです。
７．身内はそれを聞いた瞬間に、えっこれって、詐欺かも！、と気が付いたそうです。
生年月日をパスワードに使っている人がまだいるらしいので（身内は使っていませんが）、生年月日という言葉を聞いてピンと来たそうです。これには感心しました。私だったら全く気が付かなかったでしょう。身内が言うには、もし住所から先に尋ねられたら素直に答えていたかも知れない、とのことでした。
８．そこで身内は、お湯が沸いてしまったのでまたすぐにかけ直します、と言ってその電話を切り、今度は本物の大丸へ電話を掛けました。
すると驚いたことに「ああ、カードで時計を買いたいという女性の話でしょ」と言うのです。「犯人グループが最近その手口の詐欺電話を掛けまくっているようで、お客様と同じ内容のお問い合わせを頻繁に頂いている所です」とのこと。
９．これで詐欺であることがハッキリしたので、その後警察に一部始終を伝え、一件落着した、とのことでした。
この事件で分かった（と思う）犯人の手口のキモは、電話を取った人にショックを与えて動揺させ、正常な判断が出来なくすること、ではないかと思います。
身内も、偽のカードで自分の口座からお金を引き出されそうになっている、と突然言われたので、頭が真っ白の心臓ドキドキになってしまいました。
ほとんどの人が「自分に限って息子の声が分からないはずが無い」と思っているオレオレ詐欺の場合も、突然の電話で「お母さん！、会社の金500万円を落としてしまって、でも今すぐ支店に届けないとオレ首になっちゃうんだよ。助けてー！」と言われると、それは大変！、何とかしてあげなくちゃ！、と思うと思うのです。
まず相手をパニックにさせて正常な判断能力を失くさせる。
ここが犯人の手口のキモではないかと思いますので、その手に乗らないようお互い気を付けたいものです。
ｐｓ
なぜOMCカードというマイナーなカードを詐欺のストーリーに使ったんだろうね、と身内に言ったところ、誰でも持っているカードでは支払いを止める電話はカード会社に掛けることになり、その場合カード会社の電話番号は自宅に保管してある契約書を見れば分かるので、敢えて持っていないであろうカード名を出して偽の全国銀行協会に電話させる仕組みにしたのだろう、と言っておりました。
ここでも犯人は良く考えているなと思いましたが、全国銀行協会の役をした男がいまいち考えていなかったので助かりました。（私は引っ掛かったと思いますが・・・。ーー；）
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