ヤフーのニュースに、
>覚せい剤取締法違反の罪で起訴された歌手の槇原敬之被告が保釈され、「この度は関係者の皆様、ファンの皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪し、約10秒間頭を下げた。
と出ていた。
この記事を読んで、現役の頃に行った危機管理対応シミュレーションを思い出した。15年くらい前のことである。
一般には、会社が不祥事を起こした場合、数人が並んで報道陣の前でお詫び会見をする。
テレビで見慣れた光景だ。
私が参加したシミュレーションは、このような記者会見を出来るだけサラッと乗り切れるようにすることを目的としたもの。
「お詫びのしかた教えます」みたいな、その道の専門会社があって、そこの人たちの講義をまず受けて、その後実際と同じような形で記者会見をする。
記者会見場にはもちろん記者役の人たちも配置されており、お詫びする人たちが座っている机の前にずらっと陣取って威張った態度で厳しい質問もする。
長くなるので端折るが、要はそのシミュレーションのキモが、「お詫びを言ったらその後10秒間は頭を下げること」だったのだ。
なぜ10秒なのかと言うと、会見者が申し訳ございませんと言って頭を下げると、テレビには頭しか映らなくなるので、恥ずかしくないというか面目が保てるとともに、頭だけの映像を10秒間ずっと放送し続けるテレビ局は無いので、せいぜい3秒ほどに短縮されて次の場面に変わってくれるから。
当時はな~るほど!と思ったが、今ではテレビを見る側の立場なので姑息っぽくて恥ずかしい。
たま~に10秒間頭を下げている人たちをずっと映しているニュースがある。
10秒過ぎて顔をまた上げるまで映している。
そんなときは、余程記者に嫌われたのかなと思ったりする。
槇原被告が10秒間頭を下げたという記事を見て、彼もあの専門会社のレクチャーを受けたのかなと思った。
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