昨日のN響 サンサーンスのバイオリン協奏曲3番の感想

この曲は若い頃から大好きでした。

 

ソロを担当する方が、来年あたりN響のコンサートマスターに就任されるのかなと思っていた白井圭氏だったので、楽しみにしていましたが、期待はポッキリと裏切られました。

*批判的に書きますので、ファンの方はここでパスしてくださいませ。

 

演奏には残念ながらチャーミングさも味わいも香りも何も無かったですね。

極端では無かったけれどガツガツだけという感じでした。

近年はガツガツな演奏が大流行(はやり)とはいえ、この曲には合わないと思います。

 

この曲にも当然力強い箇所は有りますが、この曲の特徴は何と言っても曲全体に漂う懐かしさや優しさの感情なので、それを表現しないと面白くもなんともない魅力に欠けた曲になってしまいます。

昨日の放送でこの曲を初めて聴いた方で、この曲のとりこになった方はいないでしょう。

本当に残念なことだと思います。

 

もう一ついけなかったところは、白井氏のソロのリズムがメチャメチャなところでした。

以前書いたレーピン氏のようにリズムが崩壊していました。

なので、曲の良さを全く出せていないどころか、聴かせるにたる音楽にもなっていませんでした。

歌おうとしていることは分かるけど、四分音符は四分音符の長さで弾かなきゃ。八分音符は八分音符の長さで弾かなきゃ!。と言ってあげたい。

 

ついでに言わせて頂くと、現在コンマスをされている篠崎氏もシエラザードでソロを弾いてリズム感の欠如を露呈してしまってましたね。歌うのも苦手のようで、シエラザードでは全く歌えなくて、ご自分でも「いかんな~」と思いながら弾いてらっしゃるらしいのがテレビ越しに伝わって来ました。

N響はなぜ歌える人をコンマスにしないのでしょう。

 

↓youtubeにあった篠崎氏によるタイスの瞑想曲です。

 ご自身は自信をもって弾いてらっしゃるようですが、あなたはこの音楽性に共感しますか?

ハッキリ言って、私は途中で笑いました。^^

 

他の方に飛び火させてもらうと、エンターザミュージックという番組で神尾真由子さんが「ロシアで勉強していた時に先生からアップビートは強く強く!。ひたすら強く強く弾け!と指導された」とおっしゃっていて、以前プロコフィエフの本来超絶チャーミングなバイオリン協奏曲1番を弾いて、全ったくそのように弾けていなかったし、他の曲でも今2だった理由が分かりました。

 

アウフタクトはそれに続く音への導音として弾くので、音が大きくなったり思い入れたっぷりになったりする場合が多いと思うのですが、神尾さんの先生はそのつもりで言っているのに神尾さんは単に音量を大きくするのだと誤解してしまったので、今でもそのように弾いているのだなと思いました。単に強く大きく弾くだけなのでメロディーにならないのです。この方も歌うのが苦手のようですね。

 

チャイコフスキー・コンクールで優勝した理由は、チャイコのVn協奏曲はそのように弾くとメリハリが付いて、力強く派手に聴こえたためでしょう。

 

話は白井氏の演奏に戻りますが、以前読んだバーンスタインの弟子の指揮者が書いた本に、リズムを微妙に揺らすと音楽が豊かになると書いてありましたが、白井氏やレーピン氏・篠塚氏の演奏は、それとは全く別物だと思います。

 

弟子さんの言う揺らしとは、メロディーのある部分の音を僅かに或いは若干長目に伸ばしたり短くしたりして表情を付けることを含んだ揺らしではと思って、そしてそれはまったくいつも普通のこととして行われていますが、昨日の白井氏の場合は、極端に言うと全部の音を音符で示された音の長さより長くしたり短くしたりしていました。

音符を本来の長さで弾くと一流に見られないのではという強迫観念を持ってらっしゃるのでは、と思ったりしましたが、一度お話をしてみたいところです。

 

そして、N響とも合っていませんでしたね。

クラリネットとユニゾンで綺麗なメロディーを奏するところでは、何と0.5秒くらいズレていました。ちょっと驚きましたね。もしホールで実演を聴いていたら指揮者なにやってんだよ!とブーイングしたいのをこらえるのに苦労したでしょう。音楽性は人夫々でも、プロなのだからアンサンブルくらいは合わせて欲しいです。

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コメント: 2
  • #1

    hachiro(minamiku) (水曜日, 21 7月 2021 01:24)

    まったく共感するどころか、いろんな詭弁を使って集められる受信料から支払われる非常に高給のオーケストラのコンサートマスターがこのやっつけ仕事とは情けない。←これ篠崎氏の動画の感想です、ベルリンフィル=カラヤンのシュヴァルベの演奏、近くは奥村愛さんの演奏でも聞いて反省していただきたいです。
    サンサーンスの放送は見ていませんが、おっしゃる意味が手に取るように納得できます。美しい撫肩の形のバイオリンを使用していたころの若きジョシュア・ベルの演奏の演奏を聴いて人生をやり直してほしいものです。

    前回の記事ですが、横浜関連で初めて誉め言葉を拝見してビックリしました。林が性懲りもなくまた出馬とは。。落ちるに決まってますが、横浜は偽りに満ちた誇りの持てない街です。

  • #2

    管理人 (木曜日, 22 7月 2021 16:43)

    hachiroさま

    コメントをありがとうございます!
    篠崎氏の演奏に対する評価が同じで良かったです。
    リズムだけじゃなく音程もひどいので、N響のコンマス?どころか、この人プロ?というレベルですよね。ハッキリ言って。

    林市長が再出馬されたことは知りませんでした。
    横浜市にはお金が無いからカジノを誘致する、と言っておきながら大劇場を新しくまた建てるとか、超立派な市庁舎を既に建てたことは最近知りました。
    緑を保全するためという名目で他の自治体よりもたくさん税金を徴取しているのに、緑地を宅地に変更する許可を出したりして、この人が再選されると横浜は壊れますね。