もしプロコフィエフのシンデレラを初めて昨日の演奏で聴いていたら、決して今のように好きにはなっていなかったでしょう。
井上の指揮はいじり過ぎで、音楽になっていませんでした。
かつN響も伝統の歌わない演奏だったので、なにこれ?級のつまらない演奏になっていました。
組曲から井上が選んだという曲目もつまらなかったし。
最もいけなかったのは、速度が遅過ぎたこと。
非常に綺麗なメロディーなのに、メロディーとして捉えられないほど遅かった。
もし2割ほど速く演奏していれば音楽としての盛り上がりも出たし、「ああ、なんて綺麗な曲なんだろう!」と視聴者の心を鷲づかみにしたはずなのに、綺麗云々どころか音楽になっていませんでした。
N響の音楽性はなんとかして欲しい。
各音を均一に、ノンレガートで、且つ一音ごとにディミヌエンドを掛ける、という伝統の奏法は捨てて欲しいです。どの曲でもそのように演奏するので、味気無くて聴いていて嫌になります。
数か月前の鈴木雅明が指揮をしたときの放送の中にリハーサル風景が少し出ていましたが、鈴木はそこで『数小節にわたって伸ばす長い音符は、単に長く伸ばしているだけではなく、和音の移り変わりを感じながら弾いてください』と言っていました。
それを聞いて、「よくぞ言ってくれた!」と思いました。
そのような個所は奏者の音楽性がよく出ます。(リコーダーアンサンブルでも同様です。)
そう言われて露骨に嫌な顔をしたN響メンバーが映っていましたが、彼らは音楽家では無いなと思ったものです。
シンデレラを見る直前に録画で見たエンターザミュージックの「シンドラーのリスト」が超綺麗だったので、余計にN響の演奏が貧弱に感じました。
↓ 以前のブログに貼ったリンクですが、また貼らせてください。
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