エンター・ザ・ミュージックのフランク交響曲が良かった

先程放送されたエンター・ザ・ミュージックでフランクの交響曲ニ短調が取り上げられていた。

 

この曲は高校生の頃にシャルル・ミュンシュ指揮によるレコードで何度も聴き、大人になってからは実演も聴いたが、綺麗なメロディーやカッコ良いところは有るものの、特に深い感銘を受ける曲ではないという印象だった。フランクの曲としては、若い頃にオルガンで何度も弾いたリトル・オルガニストという小曲集の方がダイレクトに彼の美点を感じられたので好きだったこともあり、もう50年近くこの曲は聴いていなかった。

 

しかし、先ほどの高関健さん指揮の演奏は、ゆっくり目の速度で丁寧に情感を表出しており、ああこんなに綺麗な曲だったのか、と感銘を受けた。

このコンサートを聴いた方は、おそらく「良い音楽だった―」と幸せを感じながら家に帰られたのではないかと思う。

 

高関健さんについては、まったりな演奏をする指揮者というイメージだったが、このフランクを聴いて、はまる曲にははまるのだな~と一部印象が改まった。

コロナ後に再演されるようなら聴きに行きたいと思う。

 

そういえば、5年くらい前に池袋の田中せい子先生のセミナーのミニ発表会で、あるグループがリトル・オルガニストの中の数曲を演奏されたことがあり、それらの曲は私もリコーダー用に編曲しようかなと思ったことのある曲でもあったので内心おっと思ったのだが、やはりオルガン曲をリコーダー用に編曲するのは難しいなと感じたことを思い出した。

 

細かな音が続く曲の場合は向いていなくはないのだが、特に派手な曲だったり長い音が続く曲では多くの場合響きが薄くて充実感が出ない。

それを解消するためにリコーダーアンサンブルでは上下のオクターブを追加して演奏するグループもあるのだが、オルガン曲の場合はそれでも不足で、なぜならオクターブだけではなくて3度や4度・5度上の音が同時に鳴っていることが多いからである。

 

それはミクスチャーという名前のストップで、それがオルガン特有のチャーとかギャーとかいう響きをもたらしている。それを普通の規模のリコーダーアンサンブルで模するのは無理で、例えば最低でも100人以上の規模にして、その各パートの内の1割くらいの人数をミクスチャーパートに充てれば似た響きが出せるかも知れない。が、リコーダーには本当の低い音が出せないという決定的なハンディーがあるので、オルガンと同じ響きを出すのは不可能かなと思う。

話がそれてしまった。ーー;