ブラームスの言葉

ブラームスの弟子がブラームスに教えを受けたときのことを色々語っている。

 

その中にある作曲の基本についての部分に、私がまったく気が付いていなかったことが書いてあった。

それはリズムのカデンツである。音大では当然のこととして教わるのだろうけれど、なんせド素人なので、リズムにカデンツがあるなど思ってもみなかった。

 

その部分を書き出すと、

>「ブラームスは音楽には3つの重要な要素があると言った。リズム、メロディ、ハーモニーである。それらは調和と対立という観点で理解されなくてはならない。例えば、和声的にもメロディ的にも完全なカデンツであっても、同時にリズム的カデンツが備わっていなくては大した効果は望めない。

フレーズを効果的に結びつけるためには、弱いカデンツが強いカデンツに先立たなくてはならない。」

ブラームスは、リズム的に収まりが悪い終止形の見本のようなパッセージをよく目せてくれた。ここでは想像力が途絶えてしまったために、そのようなものがやみくもに挿入されているのだと、はっきりと証明した。

 

そうなのか~と思うものの、素人なので具体的には良く分からないのが残念。

これがハッキリ分かると、CDやテレビで音楽を聴いたときに、また違った世界が見えるのかも知れないなと思う。

 

掛留音についての部分は全く同感。

ブラームスはバッハの曲を極めて音楽的に弾いたらしいが、

>ブラームスはバッハの掛留音がことのほか好きで、「ここのところが響かなくちゃダメなんだ」と、タイの掛かった部分を指さしながら良く言ったものです。ブラームスは、タイの掛かった後ろの音符は不協和音の効果を絶妙に醸し出すよう(ピアノの場合)打鍵されなくてはならない、と強く主張した。

とのこと。

 

NHK町田の細岡先生も良くそれを仰っていた。ぶつかっている音を強調して吹いて!と。

私はずっと昔にバッハをオルガンで弾いたとき、その効果に魅了された。

掛留音に限らず、不協和音が協和音に移っていくときの美しさと快感は、オルガンが一番良く且つ強烈に出ると思う。

以前にどこかで書いたが、芸大の学生オケ(指揮者も学生)がG線上のアリアを演奏した時、上記の掛留音をわざと聴こえないようにその部分を弱く演奏していて、芸大に音楽の本質を知らない学生がいるとはと驚いたことがあった。不協和音を聴こえなくしてしまったら音楽にならないことなど、才能の無い人間でも分かることだと思うのだが・・・。

 

この本は最近図書館で借りた。

横浜市の図書館も新型コロナウイルスの影響で長く閉館しているのだが、ネットで予約すると本を受け渡ししてくれるので、非常にありがたい。

ウィルスが早く沈静化してくれることを祈りたい。