ヤマハのプラ管ソプラノYRS-402の感想と、ベートーベンの8番

先週、某カルチャーの湘南リコーダー教室で、先生が「皆さんが吹いてみたい曲は有りますか~」と仰って下さったので、ベートーヴェンの交響曲8番第2楽章を提案してみました。

楽譜は積志さんのHPにアップされているものです。

 

この曲は、数年前に4人でやっていた遊び会の初見大会で1度吹きましたが、天才の作った名曲はさすがだなと感心し、またいつか吹きたいと思っていた曲です。

某カルチャーは現在13人くらいいますので、ぐっとオーケストラ曲らしくなるだろうなと期待大です。

 

遊び会のときはバスを吹きましたが、曲の最後近くのソプラノパートに吹きにくい箇所が出てくるので、言い出しっぺの責任をとるつもりでソプラノを練習し始めたところ、久しぶりに吹いた木管ソプラノの音色が各音でバラついており、かつ音程もバラバラで、アンサンブルでは使えない状態でした。

 

そこで、ネットで高い評価がされており以前から気になっていたヤマハのバイオマス由来樹脂製のソプラノ YRS-402Bを買ってみました。

 

注文して1日で届いたのには驚きましたが、確かにネットのレビューに書いてあるとおり、芯が有って、落ち着いた音で、ソプラノに良くあるチリチリしたビーという割れた音がしません。

音色の統一性も上から下まで良いです。

発音も良好で、最高音域まできれいに出ます。

 

しかし、残念なところが一つ。

買った個体だけなのかどうか分かりませんが、上のオクターブの音が全部かなり高いのです。

下のオクターブを仮にmfで吹いたとすると、上のオクターブはppで吹かなければ音程が揃わないのです。高い音を全部弱く吹いたら音楽になりませんので困ります。

 

特にベートーベンの曲はsfやfpが頻繁に出てきますので、強く吹けないと彼の曲らしくなりません。

積志さんの楽譜は、元々sfのところをfに変更したりして丁寧にリコーダー向きに編曲されているのですが、しかし、吹く人はそこは元来は f ではなくて、たった一つの音だけに付けられた sf であることを知ってピッ!と吹いた方が良いので、そのように強く吹けないリコーダーは致命的です。

 

そこで、替え指や指かぶせなどをして音程調整を試みた結果、上オクターブのソからシ♭までのときは同時に一番下の右手小指の穴を半分ふさぎ、ミとファのときは小指はふさがずに右手の他の指をわずかに下げて穴に近づけたりて音程を下げることが必要だと分かりました。

良い替え指が他に有りませんでした。

 

正直なところ、これで曲を吹くのはかなり大変。

特にミとファは難しい。指のかぶせ加減の繊細なコントロールが必要なので。

8分音符より速くミ→ファまたはファ→ミと動く場合は私には演奏出来なさそう。

でも高音域を常にピアニッシモで吹いても仕方がないし。

 

安いのでもう1本買ってみようかとは思うけれど、また外れだったら?と思うと躊躇してしまう。

銀座ヤマハでまた試奏させて頂こうかとも思ったが、前回行ったときに「試奏は良いですが必ず1本は買って下さい」と言われたのでもう行けない。

 

今まで4回ほどプラ管アルトの試奏をさせてもらったが、買わずに帰ったのは1回だけなのに・・・。

気に入るのが無くても1本買わなければならないのは客には辛い。

 

木管リコーダーやフルートやトランペット・ピアノ・バイオリンなどの楽器の場合は、試奏して気に入らなければ買わないで帰るのは当たり前なのに、プラスチックのリコーダーは試奏したら1本は買いなさいと言う発想が理解できない。

『ピアノの試奏ですか?、もちろんOKです。でも試奏したら必ず1台は買って下さい』と言う店ってありますかね?。無いでしょ。

プラスチック製であっても立派な楽器なのに、なぜプラ管リコーダーだけをこんなふうに扱うのか・・・。

 

それにしても、リコーダーという楽器はいろんな意味で悩ましい楽器だ。

 

(ベートーヴェン交響曲8番第2楽章)15秒後に始まります。