クラシック・ゴシップという本がお粗末& フーガの技法5番の音源

図書館で借りた「クラシック・ゴシップ!」という本が、これまでに読んだ本の中で最もいい加減な内容で、そこに書かれているバッハ像が余りにもお粗末なので感想など書きます。


本では序のところで「大作曲家たちの、教科書には載っていない彼らのリアルな日常を紐解いていくことで、歴史を作った作曲家たちの、人間としての、男としての、魅力に迫ってみることにいたしましょう。」と書かれているように、ほとんどの部分が作曲家の男女関係について書かれていますので、元々そのような本ではあります。

内容は、クラシック愛好家なら誰もが知っているようなことばかりでしたが、気に入らないのは、本当に知ってて書いているとは思えない、その内容の浅さといい加減さです。

第1章のバッハについては、「・・正直なところ、作品といい人物像といい、”小難しい”とか、”いかめしい”、という印象以外、なかなか湧いてこないのではないだろうか。」と述べていますが、

何言ってるの?、この人、バッハのこと全然知らないんじゃない?!
と思ったでしょ?

続いて、「バッハの人生、女性がらみのスキャンダルはゼロ、難聴になったベートーベンのような悲劇性もないし、ワーグナーのようにぎらぎらした野望の物語があるわけでもない。・・特別面白い話は、はっきり言って何にもナシ。」、と書いてある。

アンタって、ホントに知ってて書いてる??と思ったでしょ?
バッハは歳をとるにつれて視力が低下して行き、楽譜を口述で妻のアンナ・マグダレーナに書き取ってもらわなければならないほどに見えなくなり、見えるようにしてもらいたい一心で、どこかの国王から入国を禁止されていたほどの凶悪詐欺眼科医を頼ってしまい、見世物のような公開の場で麻酔無しでの目の手術を2回も受け、その結果手術前よりももっと見えなくなってしまい、結果的にその傷が原因で死んでしまった、とされているこの人生のどこが何もないのか!
テメー、まともな本を書けよ!と言いたい。

更にこの人、音楽の鑑賞能力にも問題が有る!
「・・晩年は幾何学的に音符を並べた作品が増え、未完に終わった<フーガの技法>はその最たるもので、とても気楽には聴けない手強い作品なのだ。」
って、アホやん。

フーガの技法のなんと美しく感動的な音楽であることか。
高度な作曲技術を徹底的に用いながらも深~い感情を表わすことが出来た稀有の天才作曲家の音楽が分からないとは・・、何とも悲しい音楽ライターである。

おそらく、この人は自分でバッハを演奏したことがないと思う。
バッハの曲は聴くだけでは良さが実感できず感動もしない場合が多いから。
しかし、自分で演奏すると鳥肌が立つわ、曲の最後まで来るとまた最初から演奏したくなるわで、やめられない止まらない状態になる。

それがバッハだ!。

 

↓ということで、下の動画は某リコーダー教室でフーガの技法5番をやるよ、と楽譜を渡されて初見で吹いた時のものです。
デジカメでの録音のためビビリ音がひどいですが、曲の美しさが少しでも伝われば嬉しいです。

教室名と、この続きを聴きたいというご要望を頂きました。ありがとうございます。

・教室はNHK文化センター町田のリコーダー教室です。

・この続きは・・、残念ながら無いんです。

というのも、ここまで吹いたときに先生が「ハイハイ!。まーこんな曲です。」と言って止めたからです。そして続きを次回のレッスンで吹くはずだったのですが、ある事情で1人が急に退会せざるを得なくなってしまってメンバーが3人になり、そのため次のレッスンではトリオの曲になりました。

という訳ですので、悪しからずです。m(_ _)m