「横浜の関東大震災」を読んで

今後30年以内に巨大地震の起きる確率が70%と発表され、各地で大きな地震や火山の噴火が起きていることから、巨大地震の発生が差し迫っているのをヒシヒシと感じていますが、図書館に「横浜の関東大震災」という本があったのでザッと読んでみました。

 

生粋の横浜人ではない私は横浜の歴史に疎く、何となく関東大震災は東京で起きたことのように思えていましたが、実際は大間違いで、震源は東京の直下ではなく東京の南側の小田原から藤沢を経て房総半島に至る広い区域で、神奈川県はその中にスッポリと入ってしまうとのこと。

 

したがって、東京よりも横浜の方が実は地震が激しかったそうで、東京は大火災、横浜は大震災と表現されていました。「焼失家屋数は東京の方が多いが、倒壊家屋も加えた比率では横浜の方が高い」とのこと。横浜の揺れが大きかった証拠ですね。

同じような地震がまた必ず来るというのは、本当に怖いことです。

ちなみに、今住んでいる所はこの震源域の中心ちかくです。(きゃー!)

 

東京では朝鮮人が放火をしたので大火災になったという流言により、大虐殺が行われたというのが定説になっているようですが、実はこの流言の元は横浜だったらしいのです。(えーっ?)

 

この辺りまで読んで来ると、先を読みたくない気持ちが一杯になってきて、斜め読みも甚だしくなりました。

 

最初に流言が発生したのは、ショッピングで有名な「元町」~「本牧」のあたりだそうです。

 

流言の内容は、朝鮮人が放火したり、井戸に毒を入れたり、集団で襲ってきたりするというもので、これを信じた民間人が多数の自警団を組織して各地で迫害と虐殺を行い、警察や軍隊もこれを信じ、数千人の朝鮮人を公然と殺害したそうです。

*この虐殺は無かったという題の本もありますが、まだ読んでおりませんので、東京の虐殺もなかったと主張されているかどうかや、詳しい内容は分かりません。

 

流言が伝わっていった経路は、本によると2つで、

1つ目は、元町から北の方向へ、つまり横浜→鶴見→川崎→東京(大田区)と、

2つ目は、もう少し西側の方向で、田園都市線の溝の口→二子玉川→渋谷方面。

この2つのルートにより、東京に広く流布されたとのこと。

 

当時、朝鮮人が怒っているだろうと日本人が思うような出来事が有ったらしく、そのためこのような流言をほとんどの日本人が信じ、一瞬にして広域に伝搬したらしい。

 

今度また大地震が来たときにも一部で同様の流言は起きるかも知れませんが、警察や自衛隊までそれを信じて行動することは無いでしょう。

人類みな兄弟、仲良くやりましょう。^^